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芝生と共に半世紀 弊社の会長から芝生を愛する皆様へ

芝生の生産・管理・工事に半世紀携わってきた、プロのコラム
 482だより 2013年11月号

10月には台風26号が大きな傷跡を残しました。大島では死者、行方不明が大いにメディアに取り上げられました。この様な事件があると必ず事後にこの様な対策があれば避けられたというような記事がありますが、事後にはどのようなことでもいえます。

例えば今回の災害でも町長の不在が問題にされたりしますが、町長が居ても雨が降らないわけでなく、また土砂崩れがないわけでもなく、そして今回の災害の時間帯が真夜中で高齢者が多く犠牲になっているのは、その時間帯には出入りが出来ない様な豪雨で実際には避難は困難だったと言わざるを得ません。

ただ改めて日本の事故災害の多いことに心が痛みます。10年に一度の災害が5年に一度になる等、今後の異常気象がそら恐ろしい感じがします。国土強靭化計画がアベノミックスの大きな政策に加えられていますが、是非実現させてほしいです。

目下まさにゴルフシーズンの真最中で先日、日本オープンゴルフが終わりましたが、残念ながら天候には恵まれずに終わりました。茨城ゴルフ倶楽部は昭和35年頃の造成工事で、当時あの辺りは非常に不便な所でしたが、筑波ゴルフとか、ゴルフ場の開発が盛んに進んでいました。

コースは上田治さんの設計で、日本によくある赤松、こうらいしば、のしば、ベントグラス以外の植物がほんどないようなコースで現在も変わりません。ただ残念なのは今回がギャラリーの極端に少ないことでして、天気のせいだとばかりとは言えないと思います。

プロゴルフ業界が目玉になる人気の若手プレイヤーのいないことにもあり淋しいことです。日本オープンですからもっと盛り上げたいです。石川遼選手、松山英樹選手の二人の不参加が大きいのだと思いますが、例えばアメリカPGAゴルフのプレジデントカップは35,000枚のチケットが事前に売り切れてしまったと聞いています。

日本には韓国の選手は来ますが名のあるプレイヤーの招待等が必要なのかも知れません。招待するだけの資金の問題もあるのでしょうが、本当に寂しいことです。往年のジャンボ、中島常幸、青木功などの日本のゴルフ全盛時代が本当に懐かしく感じます。

ただ同時に行われていたアメリカPGAゴルフの石川遼選手の活躍で2位タイになったラスベガスのゴルフ場は、天候もコースコンデションも最高の状態でした。ラスベガスのゴルフ場でベントグラスが使われているのには意外でした。ラスベガスは夏には確かに気温は異常に上がると思いますが、夜間の冷え込みと日中の湿度の低さは、関東地方とは比べものにならないはずです。今回でも湿度13%とかでした。

ラスベガスのゴルフ場のベントグラスの管理は、多分スプリンクラーとシリンジングの両方でベントグラスの衰弱を抑えているのではと思います。夜間の冷え込みと日中の湿度の低さは病害に対しても良いわけで、日中の高温は意外に影響が少ないのではないかと思います。そしてシリンジングの効果は大きなものなのかもしれません。グリーンの周りにヘッドがいくつも見えていました。

日本オープンの優勝は逆転で小林正則選手が勝ちましたが、小林選手の無欲の勝利と言えるような勝ちかたでした。本命視されていた小田孔明、片山晋呉選手が必死になっているところへ淡々とバーディーを重ねて、もぎ取ったのではなく転がり込んできたような感じでした。

ラスベガスのゴルフ場と茨城G.C.とでは難易度はあまり違わないように見えましたが、結果は日本では10アンダーで、ラスベガスが24アンダーの優勝でしたが、日米のプロにはこれ以上の差があると思います。こうした中で石川遼選手18アンダーのショットの良さは際立っていました。大きな自信が出てきたはずです。今後はさらに期待できるかもしれません。

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